
自己紹介
神とか仏とかいう、この生命をつかさどる『何ものか』は、生きとし生けるものに差別なく、堅実な人生を授けている。ところが、その『何ものか』の気まぐれなのか手違いなのか、時に宝くじ一等とか超万馬券とか、どう考えてもどう解釈しても堅実な人生とはかけ離れたものを、ごく一部の人に授けることがある。
しかし、そういうことを見聞きしても、ぼくはそのごく一部の人たちを羨んだり妬んだりすることはしない。なぜならぼくは自分のことを、そのごく一部の人だと思っているからだ。
初めまして。ぼくは神や仏に堅実を願いながらも、心の奥底では常日頃、ごく一部の恩恵を望んでいる、ごく甘めな一般男子です。
意欲作
意欲なんて持たないほうがいい。
意欲を持って事に当たろうとすると、
いい仕事をしてやろうなどという
余計な我が入ってしまうから、
いい仕事が出来なくなってしまう。
たとえば文学とか音楽とかがいい例で、
意欲作などというふれこみの作品ほど
つまらないものが多く、
逆に気負いのない無欲な作品にこそ
いいものが多い。
ところが文学とか音楽なら
そのへんの呼吸がわかるくせに、
いざ仕事になると
わからなくなってしまう人が
多くいるから困ったもので、
そういう人が社会をよくしてやろうと
意欲的に取り組むものだから、
世の中おかしくなってくる。
意欲に感化された人や、
意欲にウンザリした人が、
意欲に振り回されたあげくに、
仕事の質を落としてしまう。
この国にある落ち着きのなさも、
何かしっくり来ないシステムも、
おそらくそこからきているのだろう。
確かにいい作品ではない。
(2009年8月12日 作)
生活のうた
『すったもんだ紀行』
旅先ですったもんだありまして
ヤツと仲たがいをいたしまして
どうでもいい存在になりました。
この先どうなるか判りませんが
今のところはうんざりしてます。
『自戒』
自分を大きく見せようとすると
小さく見えてしまうものなんだ
重い人間と思わせようとすると
軽く見られてしまうものなんだ
つい調子に乗りそうになった時
この言葉で自分をいましめよう
『釣り糸』
心の釣り糸を垂らした者同士がすれ違うと
どういうわけか糸がもつれ合ってしまって
初めて会う人なのに憎んだりするものです
『ココロの天気予報』
午後からは渋滞温度が高めになるので
中高年の方はイライラが募るでしょう。
キモチがやすらぐ飲み物を飲むだとか
ココロが落着く音楽を聞くだとかして
渋滞には触れないように致しましょう。
とくに高血圧の方はご注意くださいね。
以上極楽放送ココロの天気予報でした。
性格が悪い

はい、学生時代によくやりましたです。
「クラスの女子の中で誰が一番きれいか?」
などというランク付けをね。
いつも一番は決まっている。
きれいな人の順位なんて整形でもしない限り、そうそう変わらんものですよ。
そのことに気づいたぼくたち男子は、それでは面白くないというので、
「女子の中で誰が一番性格が悪いか?」
というランク付けを始めたんです。
誰もが、生意気なことばかり言っている、あいつが当然選ばれると思っていたのです。
ところが、選ばれたのは、なんときれいランキング一位の彼女だったのです。
これはちょっと意外だったですね。
何でそういう結果になったのだろう?
今にして思えば、彼女はあまりにきれいすぎて、ぼくたち男子にとって彼女は、口を利くのも憚られるような存在だったのです。
つまり彼女と喋った人はあまりいなかったわけで、実は彼女の性格なんて、ぼくたち男子はよく知らなかったのです。
見た目だけで、勝手に冷たそうだと判断していたわけですね。
ま、そんなことよりも、あんなランク付けに必死になっていた、ぼくら男子の性格の方が悪かったのではないか?
と、今のぼくは考えるのであります。
(2011年1月22日作)
失礼ですが

※この記事は2004年1月8日に書いたものですが、今回の掲載にあたり、若干修正を加えています。
女性に年を訊くとき、男性はよく「失礼ですが、おいくつですか?」と言うが、「失礼ですが」と断らなければならないくらいだから、女性に歳を聞くのは、本当に失礼に当たるのだろう。
失礼に当たるなら、女性の歳を言うべきではないし、聞くべきではない。では、女性をどういうふうにして量ればいいのだろう。
そこでぼくは考えた。「年齢で量ることがだめなら、実力で量るしかない」と。
しかし、実力と言っても、人それぞれの価値観に照らし合わせての実力だから、その見極めは大変難しいものになる。誰がどう量っても変らない実力、それは経験しかない。どのくらいの人生経験を積んだかが、その人の実力になる。それを量る度合いは、やはりどれだけ生きたかということになってくる。
とはいえ、それは年齢ではないから、何歳などということは出来ない。実力の世界なのだから、やはり日本式に武道を取り入れるのが一番である。
ということで、こういう表し方をしてみた。
女性としての顔かたちや考え方が身に付くまでの20年、つまり20歳までを入門者。
社会にとけ込むまでの期間、つまり21歳から30歳までを初心者(10級から1級まで)。
ここから段位が始まる。
31歳から33歳までが初段。
34歳から36歳までが二段。
37歳から39歳までが三段。
40歳から42歳までが四段。
43歳から45歳までが五段。
46歳から48歳までが六段。
49歳から51歳までが七段。
52歳から54歳までが八段。
55歳から57歳までが九段。
58歳から60歳までが十段。
61歳から70歳までが錬士。
71歳から80歳までが教士。
81歳から90歳までが範士。
91歳以上が免許皆伝。
こうすれば、いちいち「失礼ですが、おいくつですか?」などという失礼なことを言う必要もなくなる。自己紹介する時や、他人から紹介してもらう時に、例えば田中さん45歳なら、「田中五段です」と言うなり言ってもらうなりすればいい。受けた相手も「ほう、五段ですか。かなりの実力者ですな」と返せば、これは失礼ではなく、誉め言葉となる。
また、こうすることによって、誕生日のたびに「また一つ歳をとったね」などと言われたりすることもなくなるし、節目の年には、「昇段、おめでとうございます」などと言われるようになるだろう。
「じゃあ、お前は男性の場合も実力で言うのか」という意見もあるだろう。しかし、それは心配しなくていい。男性の場合は、ある面年齢を勲章と思っているところがあるから、今までどおり年齢を言っても大丈夫なのだ。
ということで、ぼくはこれから女性の歳を書かないことにする。すべて段位で表わそうと思っている。
そういえば、現在、ぼくの同級生のほとんどは錬士だ。ということは、かなりの実力者になっているということになる。同級生恐るべし、である。
ところでこの段位、決して『有段者=おばちゃん』という意味ではない。そのへんは誤解のないように。
あの日の通勤風景

電車通勤していた頃、
電車が大幅に遅れてしまい
電車が来るまでずっと駅で
待っていたことがあった。
携帯電話のなかった時代で
数台あった公衆電話には
OLやサラリーマンたちの
長蛇の列が出来ていた。
ただ、そんな公共の場所でも
人の性格というのは出るもので
人目を憚らず「まだか、早く切れ」と
怒鳴っている人もいた。
一人のOLの会話が気になった。
「あのー、こんなの言い訳にしか
ならないんですけど、実は、
電車が大幅に遅れてしまって・・・」
ぼくはその時思ったものだった。
『いや電車の遅れは言い訳ではない。
大手を振って遅れられる権利だろうが。
一体どんな会社に勤めているんだ?』と
当時ぼくの勤めていた会社は
かなりのブラック企業だったが
遅延証明書さえ提出すれば
嫌ごと言われずにすんだのだから。
さて、その一方で駅の構内では
「〇〇高校の生徒の皆さん、本日
学校は休校になりました」
という放送が流れていた。
あの日ぼくは
いつ来るかわからない電車を
ホームでずっと待ちながら
ひとり権利を行使していた。