吹く風

笑根能彩、よもぎ色の風に染まって

意欲作

意欲なんて持たないほうがいい。
意欲を持って事に当たろうとすると、
いい仕事をしてやろうなどという
余計な我が入ってしまうから、
いい仕事が出来なくなってしまう。

たとえば文学とか音楽とかがいい例で、
意欲作などというふれこみの作品ほど
つまらないものが多く、
逆に気負いのない無欲な作品にこそ
いいものが多い。

ところが文学とか音楽なら
そのへんの呼吸がわかるくせに、
いざ仕事になると
わからなくなってしまう人が
多くいるから困ったもので、
そういう人が社会をよくしてやろうと
意欲的に取り組むものだから、
世の中おかしくなってくる。

意欲に感化された人や、
意欲にウンザリした人が、
意欲に振り回されたあげくに、
仕事の質を落としてしまう。

この国にある落ち着きのなさも、
何かしっくり来ないシステムも、
おそらくそこからきているのだろう。
確かにいい作品ではない。

 

(2009年8月12日 作)